BLOG
レイアウトはふさわしい様式選びと視覚度で決まる!
デザインやレイアウトは、専門学校なんかを卒業して、特別な訓練を受けた、センスのある人しかできないと思われがちです。
でもそれは間違いです。私なんか、20年近くデザインの現場にいますけど、若干私服ダサいですもん。妻によく指摘されます…。
ほんのちょっとした、コツというか知識があれば、実はレイアウトは誰にでもできるもんなんです。
ふさわしい様式を選ぼう
デザインの大半はこの「様式」で決まります。そして大切なのは、「正しい様式を選ぶ」ということなんです。下図のデザインを見てください。認知症の方をサポートするオレンジリングの会のポケットティッシュのデザインです。一見、非常にバランスの取れた、余白の使い方の上手いシャープな印象を受けますが、このデザインでは認知症の情報が全く入ってきませんよね。
続いて下図を見てください。これは実際に私が名張市のオレンジリングの会様からご依頼を受け作成した、ポケットティッシュのデザインです。右下のイラストは名張のゆるキャラ「ひやわん」ですが、あまり気にしなくていいです…。
決してスタイリッシュとは言えませんが、イラストを効果的に使い、人と人とが助け合う温かいイメージを表現しています。どうでしょうか、最初のスタイリッシュなデザインと比べ、どっちが認知症というテーマにふさわしいでしょうか。
イメージは様式によって伝わる
まずは下の名刺のデザインを見てください。
文字を大きくしたり、組み方を変えることで、名刺から受けるイメージはすっかりと変わるのがお分かりでしょうか。Aはビジネスマンらしいすっきりとした様式ですね。またBは文字やロゴを大きくして、元気いっぱいのイメージです。営業マンにはぴったりではないでしょうか。最後にCは余白を広くとることで、上品でスタイリッシュな印象を与えますよね。デザイナーの名刺にいいのではと思います。
このように少し組み方を変えるだけで、人に与える印象は大きく変わるのです。もしも、クリエイターである私が名刺を作るのに、Bを選ぶのは間違いです。自分にふさわしい様式を選ぶことが最も大切なのです。
視覚度を上げよう
視覚度とは、イラストや写真などがおこす視覚的な強さのことです。下のデザインを比べてみてください。
イラストを加えるだけで、親しみやすさが全く違うのが分かりますか?視覚度を上げれば相手の印象にも残り、親しみやすさもグンとアップするんです。
例えば文字だけの見開き誌面を想像してください。左右のページが文字だらけで、あまり読む気がしませんよね。もし右ページが写真だったなら、文書も生き生きとして、急に読む気力が湧いてくると思いませんか?
デザインに必要なのは、ちょっとした知識
というわけで、ふさわしい様式を選ぶことと、視覚度を高めるだけでグンと親しみやすいデザインになるということが分かりました。やはり文字だけではさびしい印象があるし、積極的に読む気もしませんよね。読む人の意欲を上げ、どんどんとアピールするのがチラシなどの役割でもあります。ふさわしい様式を選び、視覚度を意識してレイアウトをするだけで、これまでのデザインとは一味違った、見ている人の心に残るデザインが出来上がるのです。デザインはちょっとした知識だけで、全く変わるということを覚えていただければと思います。